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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第21章 貴理子 27歳
たちまち、激痛に襲われて
私は「ぐっ!」と呻いて再び倒れこみました。
「ほら、無理しないで…」
お腹、しっかりと見せてくださいと
彼は私の腹部をあっちこっち触診し始めました。
「たぶん…肋骨は大丈夫だと思います」
そう言っていただくと、心なしか痛みが和らいできました。
「ありがとう…お陰で痛みが取れてきたわ」
アイスバッグを彼に返して
帰り支度しようと立ち上がったのですが
やはり痛みが残っていて「イタタタ…」と思わず彼にしがみついてしまいました。
「無理しないで!さあ、横になってください
僕がマッサージしてあげますから」
「僕、剣道をしているから
アザを作るのもしょっちゅうで…
早めに処置しないと肌が黒ずんで痕が残ります。
撫でて内出血を分散してやるとアザも残りにくいですし、痛みも引いてきます」
大丈夫だからと言う私の手を払いのけて
彼はお腹を撫で回してきます。
みぞおち近くなので
どうしてもブラのカップの底辺にも指がかかってしまうわけで…
「貴理子さん、やはりアスリートですね
腹筋がすごいや」
「どうして私の名を?」
「一目見て気づきましたよ
元体操選手の磯村貴理子さんでしょ?」
「あ…今は結婚して下村と言います」
「えっ?結婚してるの?
こんなに綺麗なお肌だから未婚だと思ってた」
変な子…
既婚だとお肌が荒れる訳?
私は思わずクスクスと笑った。