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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第3章 史絵 34歳

「こうやってお近づきになれたんだ
良ければランチでもどうですか?」

そっか…今日は火曜日なので
山下さんはお休みの日なのね

「でも、奥さまに申し訳ないわ」

私はやんわりと彼のお誘いを断ろうとしました。

「うちはほら、夫婦で美容室を営んでるでしょ
四六時中あいつと顔を突き合わせているから
少しだけ息抜きをしたいんですよ」

そっか…四六時中一緒って息が詰まるんだろうなあ…
そう考えるとちょっとだけ彼の息抜きのために付き合ってあげることにしました。

山下さんは酒豪なのでしょうか。
ランチだというのに
ビールを何杯もおかわりをしました。

その豪快さに
私もついついつられて
昼間だというのにビールを何杯も呑んでしまい
グデングデンになってしまった。

案の定、会計を済ませてお店をあとにしようと思っても、足腰に力が入らずに山下さんに抱きかかえられるようにしてタクシーに乗り込みました。

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