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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第27章 小雪 41歳
不意に山上さんの右手が動いて
そっと私の頬に添えてきた。
「えっ?あの…」
「ん?何?どうせ修理が終わるまで暇でしょ?
こういうシチュエーションってワクワクしませんか?」
鼻先が触れるか触れないかの微妙な距離まで
顔を近づけてきます。
「嫌なら拒んでくれればいい。
無理強いをするつもりはないから」
吐息のかかる距離で囁かれて胸が高鳴る。
自分の頬が染まり熱が帯びていくのが分かる。
いつ動き出すかも分からないエレベーター。
それをわかっていながら
彼は私との甘い時間を求めてくれている。
胸の鼓動が早くなる。
これが吊り橋効果なんだと頭で理解する私がいました。
学生の頃、読んだ本で、吊り橋の上のような不安や恐怖を強く感じる場所で出会った人に対し、
恋愛感情を抱きやすくなる現象のこと。
それが、現実に今、私に訪れていました。
それが、わかっているのに
私はそっと瞼を閉じた。
私の唇はキスを求めていました。
そして唇に感じる柔らかな感覚。
隙間から侵入してきた舌が、
器用に私の口内を犯していきます。
「あぁ…ッ、ん…」
「キスだけでそんな声が出ちゃうんだね?」
イジワルな笑みを浮かべながら
じゃあ、こんなことをしたらどれだけ大きな声を漏らすんだろうね?
そう言いながら片足の膝を上げられ、
下着をずらし中に指を押し込まれた。