この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第32章 瑠奈 21歳
ひとりカラオケ…
カラオケルームに足を踏み入れても虚しいだけでした。
『もうこうなったら歌いまくってやるわ!!』
何曲か歌い終わってから
トイレに行くために部屋を出た。
同じタイミングで隣の部屋から男が出てきた。
「カラオケ、お上手なんですね
つい、歌うのを止めて壁に耳を押し付けて聞き惚れていました」
彼もひとりだけのカラオケだったようで
よければ一緒に歌いませんかと誘われた。
ちょうど私もデュエットをしたかったので
何の気なしに誘いに乗りました。
一緒に歌いませんかと誘うだけあって
彼は澄んだ声でバラードを上手に歌いました。
私の順番になったので
歌いたかったデュエットを選曲しました。
歌ってるうちに彼が後ろから抱きしめてきました。
「~♪…えっ!ど、どうしたの?」
「君さ…左手のくすり指にリングをしているけど…
人妻さん?」
「そうですけど…明日にはバツイチになります」
「えっ?それって離婚するってこと?」
振り向くと彼の初めて見る真剣な顔
「…き、キスする?」
「ほんと?いいの?」
「ほんと!でも…キスまでよ…」
「キス…下手かもしんない…だって、俺、童貞だし…」
私は心底驚きました。
こんな風にナンパしてくるんだもん。
てっきりヤリちんだと思っていたから…