この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第33章 槙子 50歳

封筒の中から出てきた離婚届には
すでに私の署名と捺印を済ませてあります。

「あとはあなたが署名捺印をするだけよ」

なるべく早く役所に出してね

私は言い捨てると
もう用はないとばかりに席を立ちました。

「ま、待ってくれ!!
俺たちはまだ夫婦なんだ!
な?そうだろ?
だからさ…最後の思い出に一緒に旅行に行こうじゃないか」

「はぁ?何バカなことを言ってんのよ
新婚旅行ならぬ離婚旅行ってわけ?」

私が拒むと
「俺はまだお前を愛しているんだ!
な、頼むよ、最後に思い出を作らせてくれよ!」

涙をポロポロこぼす夫が惨めで
私は「いいわ、あなたと一緒に何かをするのはこれが最後よ」と夫の提案を受け入れました。

週末、品川駅のターミナルで待っていると
定刻少し前に夫が現れました。

いつもとは違う雰囲気に私は驚いちゃいました。

「あなた…そのスタイルよく似合っているわ」

「そうかい?ショップの店員にコーディネートしてもらったんだ
最後だからね奮発してカッコいい俺をお前に見せたかったのさ」

一緒に暮らしている時からそういう心がけをしてくれたら、私だって別れたいと思わなかったかもしれないのに、こんな瀬戸際にならないと気づかないなんて男って本当にバカだわ

新幹線で隣同士で座っていると
隣からツンと加齢臭の匂いがした。

『この人…老けちゃったわね…』

スタイルは今風にキメてるけれど
体臭と動作は、どうしてもおじさんそのものでした。

/541ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ