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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第34章 姫華 66歳

「今日もまた行くのかい?」

縁側で老眼鏡をかけて一人で詰め将棋をしている夫が呆れたように私に問いかけます。

「ええ、私が行くとおじいちゃんやおばあちゃんが喜んでくれるんですもの」

ウィッグを被り少し濃いめのメイクをしながら
私の趣味なんだから放っておいてよと
困り顔の夫に言ってやりました。

「それはいいんだけどさあ…
お前の素顔を知っているご近所さんから陰口を叩かれているのを知っているのかい?」

「誰が何を言おうと気にしないわ
それにね、あなたみたいに運動もせずに一日中縁側で座り込んでいる方が早くボケるのよ」

最近、物忘れがひどくなった夫は
それを言われると何も言い返せずに黙りこんだ。

厚化粧ババアだと
陰口を言われているのは知っています。
でも、売れなかったとはいえ、
元歌手としては人前で歌うのだけが、
今の唯一の楽しみなんです。

もちろん、ギャラなんて頂きません。
歌わせて頂くだけでありがたいんですもの。

今日も介護施設からレクリエーションとして
老人達に歌を聴かせてくださいと依頼を受けています。

当然、そのような施設には楽屋なんてものはありませんから、ステージ衣装とメイクをしてそのまま家から外出します。
だから、ご近所さんは私の若作りの姿を見て陰口を叩くのです。

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