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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第4章 千夏 22歳

目的の温泉地に到着すると
まずはひと風呂浴びて汗を流そうと夫が言い出した。

古風な旅館でしたが
源泉かけ流しという触れ込みに嘘偽りはなく
お肌がツルツルになったのには驚きました。

いつもと違うお肌の滑りに
きっと夫は大満足して熱い一夜になりそうだと
私はひそかにドキドキしていました。

夕食もすごく豪華で
夫はお調子者なのでお給仕の仲居さんの勧められるままに、地酒をグイグイと飲み干した。

口当たりの良いお酒でしたが
かといってアルコール度数はそれなりにあるので
夜は私のヌードを撮りまくると言っておきながら
夫は酔いつぶれて高いびきをかいていました。

『なによ!放ったらかしってどういうことよ!』

完全に酔いつぶれているものだから
叩いても揺すっても目を覚ましてくれません。

仕方なく私はお気に入りとなった温泉に
ゆっくりと浸かろうと思いました。

こんなにも素敵な温泉なのに
意外と入浴している人がいなくて
まるで私の貸し切り風呂でした。

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