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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第4章 千夏 22歳

広い露天風呂…
見上げれば満天の星…

あまりにも開放的なので
私ったら、ついつい温泉で平泳ぎなんかしちゃったりして…
誰かが入浴していたらこんなこと出来ないので
やんちゃ娘のようにはしゃいじゃいました。

ガラガラ…

誰かが更衣室のドアから
浴室の方へやって来ます。

残念ですが
はしゃげるのもここまでのようです

「平泳ぎ、お上手なんですね」

やだ!見られていた?

というか…
その声は男性!!

えっ?えっ?
女湯に男性が乱入!?

「こ、こちらは女湯なんですけど!!」

あまりの怖さに声が震えてしまいます。

「あ、もしかして…お嬢さんはこちらの温泉は初めて?」

こちらが怒声をあげているのに
その男の人は何事もないように
肩までのんびりと温泉に浸かっています。

『ひゃあ~!知らない男の人と温泉だなんて…!』

ゆっくりと…出来るだけゆっくりと
私は男性と距離をとり始めました。

「お嬢さんは、ここが初めてみたいだから教えてあげよう。
この温泉はね夜の10時になると男湯の方は清掃時間になって使えなくなるんだよ。
そのかわり、女湯が混浴になるって訳だ」

温泉を両手ですくって
顔を気持ちよく洗いながら
その男の人は混浴になることを教えてくれた。

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