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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第35章 日菜子 27歳
その夜、私は夫にパソコンの具合が悪くなったと報告しました。
「こいつも年期が入っているから
そろそろ交換時期かな?」
どれ、ちょっと見てやるよ
夫はそう言ってカチャカチャとキーボードを叩く。
「ふ~ん…ダメだねえ…」
再起動させてみるか…
そう言って夫は強制終了させて
再びパソコンを起ちあげた。
軽快なチャイム音と共に
パソコンが甦った。
「やった!さすがね、ありがとう!」
パソコンの画面は書きかけの官能小説をモニターに映し出す。
「えっ?なにこれ?
小説を書いているのは知っていたけど…
っこんなエッチなの書いてたのか?」
夫は真剣に私の書いた官能小説を読みはじめました。
「これ、ホントにお前が書いたの?」
そう言って私を抱き寄せる。
必然的に膝の上に座らされた私は、
もう顔から火が出てしまいそうなほどの
とんでもない羞恥に襲われていた。
『あぁ、ばれた…ばれてしまった…』
夫はパソコンのディスプレイを
次々スクロールさせては小説に目を通していく。
「も、もう勘弁してください…
読まないで…」
「…」
夫は何も言わずに読むのに必死になっていました。
「ねえ…じっくり読むのやめてよ…」
穴があったら入りたいとはまさにこの事だった。
私は恥ずかしさのあまりに両手で顔を覆う。
そしてしばらくの間、
静かに文字を追っていた夫は、
おもむろに私の手を取ると…
ペロリと指を舐めてきたのです。