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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第36章 芽衣 31歳

ドアの外に立っていたのは若い男性でした。
彼は富山秀明と名乗り
引っ越し挨拶の菓子折りを私に手渡した。

一目見て胸がドキドキとときめいた。
だって…すごいイケメンで背が高くて
私の理想の男性像だったんですから。

ゆっくりとお話がしたいのに
彼ったらそそくさと帰ってしまったんです。

『童貞かしら?
ううん、あんなにイケメンなんだもん彼女がいるわよね?』

私は彼女がいてもかまわないから
なんとか彼と親しくなりたいと思っていました。

その機会はすぐにやってきました。

定時に帰ると言っていた夫が
急遽残業になると連絡があったのです。

「どうしましょ…夕ご飯…二人分を作ってしまったわ…」

そして思い浮かんだのが
隣の富山くんを夕飯にご招待することでした

そのようにお誘いをかけると
「ほんとですか?
引っ越しの片付けが終わらなくて外食しようと思っていたんです
喜んでご招待を受けます」と
とても喜んでくれました。

私は彼にモーションをかけるために
超ミニのスカートと体のラインの出るニットを着て彼を待ち受けました。

約束の時間に彼はやって来てくれました。

引っ越しの片付けをしているからか
彼は短パンにTシャツというラフな格好でした。

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