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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第44章 芙美子 33歳
「お待たせ!」
背後から肩をトントンと叩かれたので振り返ると
そこには浴衣を着てメイクもバッチリの茂子さんが立っていました。
「なによ、馬子にも衣装って言いたそうね」
「いえ!そんなことは全然…
でも、茂子さん、とても素敵です」
いつもはダボダボのトレーナー姿にブカブカのジーンズ姿なので、こんなにもスタイルが良かったのだなと感心せずにはいられませんでした。
そこに「祭り、ちょ~楽しい!!」と振る舞い酒をたくさん飲まされてぐでんぐでんになった夫と茂子さんの旦那さんがやってきました。
「すまんな奥さん、調子にのって飲ませ過ぎてしまったみたいだ
旦那さんが酔いつぶれる前に家に帰るとするか」
私たち四人は家路につきましたが
境内から少し離れると街灯もない夜道は真っ暗です。
おまけに夫は途中でグロッキーになって休みたいと言う有り様です。
「この先に自販機があったからお水を買ってきてあげたら?」
茂子さんの言うように
少しお水を飲ませた方がいいかもしれません。
「旦那さん、見ていてあげるから買ってきなさいな」
お言葉に甘えて、夫を土手に座らせて
私は自販機へと急ぎました。
「夜道は危ないからお供するよ」
茂子さんの旦那もついてきてくれた。