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女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第6章 眞由美 30歳

「あははは…何が何やらわからないけど…
可笑しいよね~」

私の笑いにつられて
彼もキョトンとした表情をしながらも
同じように笑い出した。
その笑顔を見て、絶対にこの人は悪い人ではないと確信しました。

「うふふ…ごめんなさい…
急に笑いだしちゃって…
失礼よね、顔を見て吹き出しちゃうなんて
お詫びに貴方のしたいことに付き合ってあげる」

この場合の「付き合ってあげる」は、
映画でも遊園地でも、カラオケでもいいし
今日一日は彼女になって付き合ってあげるという意味でそう言ったんですけど、
彼は「貴方のしたいこと」の言葉に重きを感じて、
じゃあ、お言葉に甘えて僕のやりたいことに付き合ってもらいますよと
ろくにコーヒーも飲まずに席を立った。

「どこに行くのかしら?」
私も興味津々で慌てて彼を追いかけるように席を立った。

肩を並べて歩いていると
不意に彼が私の尻を触ってきました。
「えっ?」
私は思わず足の運びを止めて
立ちすくみましたが
腋にぐっと腕を差し込まれて無理やり歩かされた。

パーキングに1台のワゴン車が駐車してあり
彼はサイドドアを開くと突き飛ばすように私を押し込んだ。


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