この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
女の性癖、男の嗜好…(短編集)
第8章 女久美 54歳
私に睨まれたオヤジは戸惑った表情をしていたが
その間もお尻に伸びた手がヒップを撫で回してくる。
「やめてください!」そのようにハゲオヤジを非難しようとして、ハゲオヤジが腕を組んで痴漢に間違われないようにガードしていることに気づいた。
じゃあ…真後ろの誰か?
残念ながら、真後ろまで首が回らない
私の尻を撫で回す野郎に腹が立ってきた。
ちょうどその時、列車がホームに到着して
停車して扉が開いた。
この期を逃してなるものかと
私は尻を撫でている手を掴み
その手を離さずにホームに降り立った。
「ちょっと!いい加減に…」
いい加減にしなさい!と罵倒しかけて
自分が掴んだ手の相手が右後方にいたハンサムな青年だったことに驚いた。
「あなただったの?」
あなた、私に痴漢したでしょ!と
怒鳴るつもりでホームに降り立ったものの
その相手が高身長の美男子だったことに驚いて言葉を失った。
「このホームで良かったんですか?
いつもは終点まで乗っていきますよね?」
手を掴まれながらも悪びれた様子もなく
途中下車で構わなかったのかと青年は告げた。