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第37章 管理者と奴隷

『あの子がNo.9ね？

可哀想にね…あの子は両親に箱入り娘のように大切に育てられたのよ。
それが、この前の議員の逮捕で父親の関与も疑われて会社が倒産。
家も財産も処分して社員には退職金を払ったらしいわ。
ただ、借金の返済には足りなかった。

あの子は両親に捨てられ、海外へ売られる寸前である人に拾われた。

それは幸運だったかもね。
ある人はあの子が奴隷になる代わりに両親を救った』

「そうだったんですね。
No.9は受け入れたんですか？」

『あの子は強い。
自分の運命は受け入れる、けど両親へは自分の価値だけしか金を渡さないでほしいと言ったそうよ。
ある人は借金と同じ額だけしか払わなかった。

両親はバカね。
借金は返せても、生活はギリギリ。
まぁ、こちらには関係ないわね』


No.9がこの屋敷に深く関係することになるのはもう少し先の話。