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最愛の人
第38章 目に見えない傷
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『海斗、愛莉の様子がおかしいぞ』

「…………今は行けない。
フォローしてやってくれ。
すまないが、伝言を『海斗?まだなの?』

土井頼んだ」

『おまえ!いい加減にしろよ』

「もう少しなんだ。わかってくれ、じゃぁ」



なぁ、海斗。
お前は何が大事なのか忘れてないか?

愛莉の様子がおかしいと思ったのは、今日の会話だった。
普段なら、愛莉は奴隷の気持ちなんて口にしない。
普通ならやり過ぎだとキレてもおかしくないのに、話し合えなんて…


愛莉、おまえは何を抱えてるんだ?
不自然なくらいの笑顔の下に何がある?
おまえの目の奥が闇に苛まれたのはいつからだったんだ?



俺が海斗に遠慮していなければ…
これから起こる悲劇は防ぐことができただろう。
愛莉の気持ちを無理にでも聞き出していれば…




最悪な悲劇が近づいていることを誰も知らない。


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『そろそろかしらね。ふふっ

あんたの出番はもうすぐ終わりよ』

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