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最愛の人
第38章 目に見えない傷

本館以外の掃除や洗濯、食事は莉華さんの仕事になっているので、特にすることがない毎日。
本館の掃除を一心不乱に繰り返す日々。
調教もない夜はとても長くて、いつか愛琉さんに渡そうと思って作っているベビー用品の数は増える一方で…


本館から出ないもの…お腹も減らないし、服も着ないから洗濯だってない。

お昼からは決まっていく場所があります。
庭の片隅に作った、石を重ねただけの場所。
ここに5人のお姉様とNo.4とNo.5が眠っていると、勝手に思い込むことにしてから、必ずここに来るようになりました。


(お姉様、No.4、No.5……
今日は少しだけ、弱音を吐かせてくださいね?

私は最低です。
莉華さんが羨ましい…ご主人様と…一緒にいれて。
わたしだって!

ねぇ、みなって誰なんでしょうね…
もういらないのなら、いらないって……
言う価値も無くなっちゃったのかな…

寂しいな)



弱い気持ちを隠せなくなって、お姉様達に聞いてもらうなんて…

弱くなった心に追い討ちを掛ける出来事は、その日に起こったのでした。
見えない傷…見ないようにしていた傷。
抉るには良すぎるほどのタイミングでした。

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