この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
最愛の人
第38章 目に見えない傷
本館以外の掃除や洗濯、食事は莉華さんの仕事になっているので、特にすることがない毎日。
本館の掃除を一心不乱に繰り返す日々。
調教もない夜はとても長くて、いつか愛琉さんに渡そうと思って作っているベビー用品の数は増える一方で…
本館から出ないもの…お腹も減らないし、服も着ないから洗濯だってない。
お昼からは決まっていく場所があります。
庭の片隅に作った、石を重ねただけの場所。
ここに5人のお姉様とNo.4とNo.5が眠っていると、勝手に思い込むことにしてから、必ずここに来るようになりました。
(お姉様、No.4、No.5……
今日は少しだけ、弱音を吐かせてくださいね?
私は最低です。
莉華さんが羨ましい…ご主人様と…一緒にいれて。
わたしだって!
ねぇ、みなって誰なんでしょうね…
もういらないのなら、いらないって……
言う価値も無くなっちゃったのかな…
寂しいな)
弱い気持ちを隠せなくなって、お姉様達に聞いてもらうなんて…
弱くなった心に追い討ちを掛ける出来事は、その日に起こったのでした。
見えない傷…見ないようにしていた傷。
抉るには良すぎるほどのタイミングでした。