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最愛の人
第38章 目に見えない傷
「愛莉、話がある」

「はい。なんでしょうか?」

「明日から一週間、この三階から移動することを禁止する。
正確には、俺の寝室から出ないように」

「?どういうことですか?」

「そのままなんだが。
寝室に移動しようか?」


ご主人様は私の腕を掴むと、隣の寝室へ連れていきました。
ベットに投げるように腕を離されました。

「愛莉、お前はこの部屋で一週間生活をする。
わかったな?
心配しなくても食事は莉華が持ってくるし、掃除等もさせるから安心しなさい」

「……はい。かしこまりました」

ご主人様は頭を撫でると、
「いい子だ」
とおっしゃり、上に乗ってきました。

感じてるけど、感じれない。
気持ちいいのに、空っぽ。
でも、体は反応し声も出る。
触れられれば触れられるほど、空っぽ。
なのに、体は勝手に反応する。

(そろそろかなぁ)
プルルル♪プルルル♪
(やっぱり)

「はい。今帰りますよ。
わかってますよ、香斐にも伝えてください。


うっ!愛莉出るぞ!」

「ああっ!」


「愛莉、くれぐれもこの部屋から出ないように。
帰るけど、見送りはいらないから。
浴室も使っていいからこの部屋で済ませてくれ」

「しょうち…しました…
いってらっ…しゃいま…せ」



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