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第39章 悲劇

『愛莉さんの携帯もデータがハッキングされていました。
その携帯と照らし合わせると…

海斗様に送られてきていたメールは偽装です。


また、海斗様からの連絡はほとんどされていないことになります。
海斗様が毎日、今日は行けないとしていたメールや些細な内容のメールは何も…愛莉は目にしていない！


それと、新居の場所も知らないと思います。
愛琉が送っていたメールも全て削除され、受信されていないですから。

ちなみに、愛莉の送信したメールは全て削除されていました。
とても切ない内容です。
こちらが愛莉からの本当のメール内容です』


佐伯からの報告は思った以上の内容だった。
目の前の愛莉からのメールも…
こんな内容のメールを受け取っていたら……


「佐伯、犯人はあの女か？」

『はい。それと父親ですね』


“今日はNo.11が~”
“今日はNo.13が~”
“土井様と莉華~”
“お姉様が~”
“お忙しいんですね~”
“体に気を付けて~”

“明日は来れますか？”
“明日こそは~”
“最近は食欲が~”

“ご主人様、ごめんなさい。
寂しいです”


毎日決まった時間にメールを送っていた愛莉。
最初は日報の様なメールだったが、どんどん弱々しい内容に変わっていった…
昨日は……あの愛莉が、寂しいと…
文字からでさえ、辛くて苦しくて寂しいと伝わってくる内容だった。