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最愛の人
第41章 罰
「愛莉、お前自分の状態理解してるか?」

「えっ?
いたっ!えっ?」


私は…鎖で固定されている手足を、必死に動かしていたようで…
手足の固定部分はもちろん、膝やバランスを崩して転んだのか顔に擦り傷を作っていました。
出血しているところもあり…


「はぁ、お前はほんとに…
普通ここまでしないだろ!」

「ごめんなさい…
実に何かあったのかと思ったら、必死で…」

「まずは手当てだな」


─────────────────
目の前にいる愛莉は、怒られておとなしくなった犬みたいだ。
耳が下がっているのが見えそうなくらいシュンとしてしまっている。

さっきの愛莉は、無我夢中で本気で鎖を切ろうとしていた。
俺の存在にも気付かないくらいに必死だった。
もしも俺に、何かあったらそこまで必死になってくれるんだろうか?
実に嫉妬するなんて、情けない。

でも、さっきの二人を見て意地になってる場合ではないだろう!と思ってしまった。
たとえ甘いと言われても、これは間違っている。

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