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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第9章 『茂木純二と真奈美』
そんなある日…、お母さんが
また嬉しそうにしながら
荷物の用意をしてるので。
また新しいお父さんが見つかったらしいけど。
今度のお父さんは、この家にある物は
全部捨てておいでと言ったのだと。
段ボールに家の中にある物を全部詰め込んで。
家の中をすっからかんにしてしまった。
お母さんと再婚した人は、お金持ちの人で
自分の会社を経営してるって言ってた。
用意してくれる洋服とか靴は全部ブランド物で。
生まれて初めて、
ずっと伸ばしたままだった髪の毛を
ヘアサロンでカットをして貰った。
あのボロボロのアパートにはユニットバスしか
無かったし、お風呂のお湯に浸かれるのは
週に1回だけだったから。
綺麗で大きなお家の広いお風呂の大きな湯船に、
私だけで入るのは勿体ないと思いながら
毎日お風呂に入れるのは嬉しかった。
見た事もないシャンプーとかボディソープは
凄いいい香りがどれもしていた。
のしいかか、
せんべいみたいになったお布団じゃなくて。
ふかふかの絵本の中でお姫様が寝てるベッドで
フリフリのドレスみたいなパジャマを着て。
ピカピカのランドセルを背負って小学校には
運転手さんが運転してくれる車で通学していた。
茂木のおじさんに貰った、お姫様の
ワンピースを着て想像してた様な。
お姫様…までは行かなくても、
自分がお嬢様にでもなった様な…
そんな毎日を…過ごしていた。