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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第10章 『次の日の朝』
『貴虎…、駅…経由…で…頼む。
駅に…もう1人…、僕を…らしく
してくれる人物を用意してるから』
「だって、相良~。
駅前寄って~。相変わらず…仁は、
変な…人脈あるよね…ぇ…、ある意味才能?」
貴虎が車を運転している、若い男に
駅前に寄る様にと指示を出して。
後部座席に座って居る仁に
自分の腕を絡めてべったりと絡みつく。
『その為の…普段から…
その人脈は育ててるだろ?
後…、貴虎…、離れてくれ。
相変わらず…お前の距離感がおかしい』
「おかしいのは…仁の方だってば…。
俺からこんな風にしたら、
男に興味ない…男だって…
俺の事押し倒したくなるんだってば。
仁だけだよ~?俺にこんな風に
スリス~リされてても
平気な顔してられるのはさ~」
頭が痛いと言いたげな顔をして、
仁が自分の額を押さえて
はぁぁ~と深い身体の底から吐き出す様な
そんな大袈裟なため息を
隣の貴虎に聞かせる様にしてつくと。
『だからだろ…?
僕が…お前の友達してられるのは…。
薫も薫で…身体は男でも…心は女だし…』
「でも…、
俺みたいなの…家が訳アリだったりとか
薫…みたいな人間を
普通に…受け入れられるのが…
仁の凄い所…だって…俺は…思ってるんだよ~」