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第12章 『真奈美と仁』

その言い方だと…、まるで…。

もうプライベートでは

自分は彼女とか…作る気は…ないって。

萌花さん…以外の…女の人は…、

要らないとでも…仁さんの

その言葉は…まるで言って居るみたいにも聞こえる。

家には泊まらせるけど、

そんなつもりは一切ないと、真奈美に対して

予防線を張って居る様な風にも聞こえる…しな。


『もう…女の人に泣かれるのは…、
僕は懲り懲り…なんだってば。
泣かれるのも、泣かせるのもね？』

「だから…こんなお仕事…してるんですか？」

『まぁある意味、夫婦円満本舗の仕事は
天職…なんじゃないかって思ってるけどね、
僕は。本舗にはお風呂ないでしょ？
湯船…お湯張りするから。その間、
真奈美ちゃんはソファにでも座って、
テレビでも見てさ、ゆっくりしててよ』

ソファに座って、

ゆっくりしといてと言われたので。

言われた通りに、ソファに座ると。

テーブルの上に封筒が

無造作に置かれているのが見えた。

『ああ、それ？気になる？
さっき、貴虎がくれたんだよ…。
真奈美ちゃんの労でもさ、
たまには労ってあげなよって。
僕も中身何か知らないんだけどさ…、
何が入ってるか、気になるなら見てみたら？』