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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第22章 『初めての彼女』

酔っぱらっているのか、
酒臭い状態の親父が
滅多に帰って来ないクセに
間の悪いタイミングで帰って来て。

上から…下まで…、
頭の先から…つま先の先まで、
柏葉の事を舐め回すような…
そんな…視線を向けていて。

値踏み…をしている…様に見えて、
自分の父親ながら…嫌悪感を憶えた。


「すいません…、初めまして
柏葉陽詩と言います…。
仁君…とは…お付き合いを……」

柏葉が親父に挨拶をしていたのに
その視線は…、柏葉の値踏みをまだ
して居るような厭らしい視線のままだった。

「お付き合いねぇ……?
まぁ、自分の家みたいに…
お構いらしいこたぁ出来ねぇが。
好きな時に来て、ゆっくりしてくれや」

『家にもロクに帰っても来ない
親父らしい事もしない…やつに
どうのこうの…言われたくないよ。
じゃあ、僕は…彼女の事
家まで送って来るから…』

そう言って親父からの返事も
待たずに柏葉の手を引いて
家を出て…そのまま彼女を
駅前に建っている
マンションのエントランスまで送った。

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