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第22章 『初めての彼女』

『村岡先生、その柏葉陽詩の話…、
今から僕の家に来てもらえれば
全部、説明がつくと思います…』

そう言って僕は、学校を早退して
生徒指導の村岡先生の車で
僕の家まで送って貰っていた。


「なぁ、茂木…。
一体…どう言う事だ…？」

『だから、今からそれを説明するって
僕は言ってるんですよ、音、立てずに
そのまま…付いて来て貰えますか？』


朝、鍵を閉めて出て来たハズの
家の玄関の鍵は開いていた。

玄関の所には脱ぎ捨てた様な感じに
散乱した男物の靴と、女物の靴。

その靴には…見覚えがある
イーストボーイのローファー。
柏葉が履いてるローファーだ。

YouTubeで良くある、
浮気の現場に乗り込む
サレ男ってこんな気分なんだな。

と今の自分の状況を…、良くある
浮気制裁スカッと動画の
主人公にでもなった気分で…
僕は冷静に分析していた。

この、今の状況を僕よりも
僕の真後ろに居る村岡先生の方が
クマの巣穴にでも侵入してるかのような
ビビり散らかした顔をしていて。

泣きたいのはこっちなんだけどなと
仁は…その村岡の顔を見ながら
半分呆れつつ考えていた。