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淫魔の宿へようこそ
第4章 悪魔のお客様達
(なんでこんなに意識してしまうの……?)
「ああ、これが僕らの本性だから」
「?」
「だから気にしないで」と、まるでニコルの考えを読んだかのようなドルードの返答でした。
「さて、料理は問題なさそうだね」
食後にドルードがナプキンで口元を拭いながら言いました。
「はい。 質、量ともに十分だと思われます」
それからこれはマエロの感想。
ほっとする間もなく馬車が近付いてくる音が聞こえ、ニコルは周囲を見渡します。
夕闇をあらわすレストランの藍色の出窓から、ライトが灯った乗り物がいくつも到着してきたのがみえました。
程なく、お客様が続々と到着してきました。
それらは一様に奇異な外見をしています。
「あのお客様は……?」
「ああ。 あれはね、僕の近縁の悪魔だね。 見た目はちょっとアレかもだけど、良い奴らなんだ」
ドルードに伴われて挨拶に行った異形の方々。
中でもとりわけ目立つ大きな角が頭に付いた紳士的な男性が声をかけてきました。
彼は何と言いますか。
美しくも危険な雰囲気を身に纏っていました。
(いかにも挿絵なんかで見た悪魔っぽい……?)
ニコルは内心思ってしまいます。