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千一夜
第1章 第一夜 三白眼の娘 ①
「一ちゃん、何とか頼むよ。広山さん、住所が決まらないと職探しもできないんだ」
 保護司の田中が、リビングテーブルの向こうの黒川にそう言った。黒川は目を瞑り腕を組んで一人掛けのソファに座っている。黒川と田中は幼馴染で小学校と中学では同級生という間柄だ。二人とも今年還暦を迎えた。
 黒川はすでに結論を出していたが、それを口には出さずにお手伝いが運んできた紅茶とショートケーキを田中と広山母娘に勧めた。
「冷めないうちにどうぞ」
 田中が紅茶のカップに手を伸ばすと、それを見て広山涼子(四十三)と広山幸恵(十四)も紅茶のカップを手に取った。
 不動産業を中心に手広く仕事をしていた黒川一郎は、今は社長を退き会長となって仕事のすべて長男に任せた。黒川は妻と長男家族とは別々に暮らしている。黒川の妻は、女遊びの過ぎる黒川に愛想をつかしたのだ。
 黒川は若い女が好きだ。若ければ若いほどいい。たとえ美人でも三十を過ぎた女に黒川は興味を示さない。困ったことに黒川は一つ歳を取るごとに、好みの女の年齢が一つ二つと下がっていった。いつも遊ぶ女は二十前後であったが、それでも黒川は満足していない。もっと若い女が抱きたい。還暦の黒川の性欲が衰える気配はない。
 そして今黒川が見ているのは、三人掛けのソファの真ん中に座る制服姿の幸恵だ。
 髪は肩までのセミロング。前髪を分けてグリーンのピンを使って耳元で留めている。眼が大きいいわけではなく、鼻が高いわけでもない。至って普通な顔立ちで、幸恵はどちらかというと地味な感じの娘だ。もちろんアイドルになることは難しい(おそらく)。
 ところが黒川の心を鷲頭掴みにするものが幸恵にはあった。それは幸恵の三白眼だ。酷薄そうな幸恵の目が先ほどから黒川に何度か向けられている。黒川も母の涼子よりも幸恵に多く目をやった。というより幸恵しか見ていなかった。幸恵と目が合うたびに黒川の心がチリチリとくすぐられる。
 黒川は何度も幸恵を舐め回すように覗き見した。可愛くはない。胸が大きいわけでもない。それでも中×生の幸恵と交わることを黒川は想像した。
「いいだろう。部屋は貸すよ」
「一ちゃん、ありがとうな。助かったよ」
「いいんだって」
 黒川は心の中で田中に感謝した。
 極上の獲物をありがとう、と。
 
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