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千一夜
第16章 第三夜 春の雪 ⑥
 草加は大きく息を吸い込んだ。真利亜の肌の匂いが草加の鼻孔を通る、そのときだった。草加の頭の中に山小屋での出来事が鮮明に甦った。寝袋の中で感じた真利亜の匂いと胸の柔らかさ。全く同じだ。あれは本当に夢だったんだろうか? もてない自分がきなり結婚をしていて、それで子供まで神様から授かった。こんなことが本当にあるのだろうか?
 疑問が次から次へと沸いてくる。でも今はそれどころではない。草加はそれらを振り切って真利亜の乳首をしゃぶり続けた。
「真利亜」
「何?」
「変態の俺からお願いがあるんですけど」
 草加の目と真利亜の目があった。めちゃめちゃ可愛い、草加はそう思った。
「お断りしたいです」
「簡単です。まじ簡単なんで頼みます。一生のお願いです」
「隼太の一生って何回あるの?」
「実は俺不死身です。だから一生はたくさんあると思います」
「よく学校の先生やってるよね」
「あっ、二年三組は出さないでくださいね。エッチのときは禁句ですから」
「で、何すればいいの?」
「俺が仰向けに寝ます。で、真利亜は赤ちゃんに授乳するみたいに俺の口に真利亜の乳首を入れてください」
「まじ変態。いやです」
「頼みます」
「いやです」
「お願いです!」
 草加が頭を下げる。
「条件があります」
「どうぞ」
「ママ、おっぱい頂戴って赤ちゃんになり切って私に言ってください」
「赤ちゃんは話せません」
「じゃあ」
「言います!でも録音するとか止めてださいね」
「それは残念です」
「するつもりだったんだ……怖いです」
「私は隼太が怖いです。変態になっていく隼太がめちゃめちゃ怖いです」
「心配しないでください。俺の変態行為は真利亜だけのものです」
「そんなものいりませんから」
「早くお願いします」
 草加が仰向けになった。真利亜が乳房を抑えながら乳首を草加の口に近づける。
「はい、おっぱいですよ」
「ママ、おっぱい頂戴」
「ふふふ」
 草加は真利亜の乳首を咥えると「チューチュー」と吸い始めた。
「赤ちゃんはそんなに強く吸いませんよ」
「……」
 真利亜の言葉は草加には通じない。草加は真利亜の乳首を吸い続ける。すると真利亜は草加に自分の乳首を吸わせながら、自らも草加の乳首を舐め始めた。
「ママそれ最高です。ずっと続けて」
 そして真利亜の手は草加のペニスに伸びて行き、すでに勃起している草加の肉棒を握った。
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