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千一夜
第33章 第五夜 線状降水帯Ⅱ  ⑥
「想像してくれ」
 カレンの耳元に口を近づけて伊藤はそう訊ねた。
「何を? 何を想像するのよ?」
「これから僕が君をどうやって犯すのか? それを想像して欲しいんだ」
「想像することに意味なんてあるの?」
「もちろん。意味があるからこそ僕は君に訊ねているんだ」
「想像も何も、そんなのすぐにわかるわよ。バックからでしょ?」
「君は何もわかっていない」
「それどういうことよ?」
「おそらく君は後ろにいる僕が何をしているのかわからないはずだ。君には僕が見えないからね」
「当たり前じゃない」
「君の言うとおり僕は君を後ろから犯る。でもそれだけじゃない」
「それだけじゃないって、変なことしないでよ」
 カレンは急に不安になった。
「僕は至ってまともな人間だ。君がいやがることなどしない……が、僕は君を後ろからたっぷりいたぶる」
「いたぶる?」
「そう、いたぶる」
「やっぱり伊藤は変態じゃん」
「まぁ、そう言われても返す言葉はないが。でも想像は大事だ。想像は性欲の源でもある」
「否定しないところがクズ」
「そのクズはこれから君をどうするのか? 聞きたいだろ?」
「伊藤は私にそれを聞かせたいんでしょ?」
「その通り」
「どうぞ」
 カレンは素っ気なくそう答えた。
「君には今から犬の格好をしてもらう」
「バックからするためでしょ」
「いやいや、話は最後まで聞いて欲しい。僕は君の後ろに回って君のアナルを見る。正確に言えば君のアナルの皺を数えるんだ。君のアナルはめちゃめちゃ綺麗だ。大女優倉田カレンのアナルなら何時間でも眺めていられる。でもそれだけじゃつまらない。だから僕は君の尻を両手で掴んで、それから両方の親指を使って君のアナルを広げる。そして君の肛門の奥を覗き込むんだ」
「……」
「覗き込んだ後に、僕は君の肛門の奥にふっと息を吹きかける。間違いなく君の肛門は僕の息の温かさを感じることになるだろう。おそらくその頃には君のま〇この穴からいやらし匂いが僕の鼻孔に届くはずだ。ひょっとしたら君の雌穴からま〇こ汁が出ているかもしれない。だって君は生意気なビッチだからね。お汁が出ていれば僕はそれを美味しく頂く。倉田カレンのま〇こ汁なんだ。その汁は、どんなに金を積んでも手に入れることができない代物だ。僕は偉くはないが成功者だ。だってそうだろ。僕は大女優倉田カレンをものにしたんだからね」

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