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千一夜
第36章 第六夜 線状降水帯Ⅲ ③
 和子が着けていたブラジャーを自ら外し、履いていたショーツを脱いだ。それから和子は紗耶香が被っている布団に手をかけてゆっくり開いていった。そうしながら自分の体をベッドにのせる。それから和子は紗耶香の布団の中にゆっくり潜り込んでいった。
 伊藤は和子のその様子をじっと見ていた。自分の所有物が今和子に悪戯される。伊藤の胸の鼓動が大きく、そして速くなった。
 和子が布団の中で自分の体を紗耶香に密着させていこうとしているのが伊藤にはわかった。和子の方に背中を向けるようにして寝ている紗耶香は気づいていない。和子の体が紗耶香の背中にピタリとついた。
「むかつくガキの匂いがする」
 和子は顔を伊藤の方に向けて声を殺してそう言った。
「……」
 伊藤は黙ってこの先の展開を待った。
 和子が紗耶香の背中に手をかける。紗耶香がそろそろ異変に気付くはずだ。ただ、こんな風にベッドに侵入されても、ひょっとしたら紗耶香は和子を認めるまで気付かない可能性もある。なぜなら何度も伊藤がこんな風にベッドに入り込んでいたからだ。
 ひょっとしたら紗耶香はこう思うかもしれない。伊藤がベッドに入ってきたと。ところが紗耶香はとても敏感な女だった。
 紗耶香がこうして寝るときは(彼氏とではなく伊藤と関係を結ぶようなとき)、ブラジャーとショーツだけを穿いて寝る。それは伊藤の要求であった。
 和子が紗耶香の背中を舐め始めた。そうしながら和子が紗耶香のブラジャーを外そうとしたそのとき、いつもとは違う感覚(?)に驚いたのか、紗耶香が和子の方を振り向いたのだ。
 紗耶香の視線はそのまま和子には行かなかった。紗耶香の目は途中で寄り道をしたのだ。認めたのは椅子に座っている伊藤。紗耶香と伊藤の目が合った。
 そのときの紗耶香の目を伊藤は生涯忘れることができないだろう。えっ? どうして? 今何が起こっているの? そういう疑問が溢れて徐々に真実に迫っていく目。いや、できることならその真実を素通りさせようとする弱々しい目。
 紗耶香のその目に向けて伊藤は薄く笑って返した。所有物は黙ってろ、伊藤の目にはそういう強い意志が込められていた。
 伊藤を確かめると、紗耶香の目は自分の背中に違和感を与えている人物に向かった。そこには全裸の老女がいた。紗耶香は心臓が止まりそうになった。
「やだー!」
 紗耶香の絶叫が部屋に響いた。
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