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千一夜
第45章 第七夜 訪問者 戦い
 小さな亀裂を見つけたのは遠山機械工業の社員だった。硬式野球同好会に所属するその社員は。大手のフリマサイトを見張っていた。
 遠山機械工業の硬式野球同好会が使用するボールはアメリカのR社製。高野連の公認球は日本のM社製。野球の強豪校であれば練習でも日本のM社のものを使う。盗まれたボールは練習やキャッチボールでも絶対に使われない。必ずボールは売りに出されるはずだ。社員のよみは見事に的中した。
 盗まれた日から二日後、百二十球のR社製のボールが出品された。すでに警察には盗難届を出している。社員は百二十球のボールをフリマサイトで買い、そしてこの商品が盗まれたものであることをフリマサイトを運営する会社に連絡した。
 この一連の流れを高校に伝えると、校長と教頭の二人が遠山機械工業に謝罪に来た。
 高校の校長は、一年生部員四名が共謀してボールを盗んだことを正式に認め、遠山機械工業総務部係長に頭を下げた。当該部員四名は無期停学の処分とすることで、盗難届を取り下げてくれと懇願した。
 本来、このレベルの問題が上に報告されることなどないが、高校が絡む問題となるとこのまま黙っているわけにはいかない。。総務部の係長はすぐに上にこの件を伝えた。そしてこの問題が、遠山機械工業会長遠山高獅の耳にはいるのに時間はかからなかった。
 翌日も校長と教頭、そして高校を運営する理事会の理事長の三人が遠山機械工業にやってきた。三人が通された部屋は遠山機械工業の会長室だった。
 会長室の応接セット。三人は客ではない。上座に座るのは遠山高獅。咲子の父は腕組みをして三人を睨んでいた。
 三人は頭を下げたまま、咲子の父の顔を窺うことさえできなかった。咲子の父遠山高獅はその三人に向かってこう怒鳴った。
「貴様らはそれでも教育者か!四人の子供たちを無期停学にする必要なんかない!貴様らが無期停学だ!」
 遠山の怒りの声に震え上がったのは、怒鳴られた三人だけではない。会長室には総務部の部長と課長、そして係長もいたのだ。
 獅子が吠えた姿を初めて見た。六人はこう思ったに違いない。遠山機械工業会長遠山高獅は侍だ、と。
 盗難届は取り下げられた。四人の無期停学の処分もまた咲子の父によって取り消された。ただし、当面遠山ベースボールパークは、遠山の関係者しか使用できないことにもなった。
 実はこれには後日談がある。
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