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千一夜
第57章 第八夜 island 王道
食事を終えて、私たちは鎌倉の街に向かった。
デートに王道があれば、鎌倉観光にも定番がある。小町通りをぶらぶら歩いて、それから鶴岡八幡宮に向かうコース。
鎌倉幕府初代将軍源頼朝ゆかりの神社である鶴岡八幡宮。相模の国の一宮。ちなみに神奈川県にはもう一つの一宮である寒川神社がある。
私は河田に一宮について訊ねた。
「一言で言えば、大昔任国に赴任した国司が最初に参拝する神社のことです」
国司とか任国とか訊ねたいことはあるのだが、私は質問を一つに絞った。
「鶴岡八幡宮と寒川神社が一宮って変じゃないですか?」
「正確には寒川神社が相模の国の一宮だと言う人がいるようですが、僕にはその辺のことはよくわかりません。ただ、昔と今の神奈川が全く同じだったとは考えられません。今の神奈川が昔は二つに分かれていたかもしれない。だから現在神奈川には一宮が二つあるんじゃないでしょうか。素人の考えなので間違っていたらごめんなさい」
「……」
たとえ河田が間違っていても、平和な日本で二つの神社が一宮を取り合う戦いは絶対に起こらない。
「あっ、そうだ、工藤さん、鎌倉のお土産買っていきませんか?」
「はい」
お土産と聞いて、頭に浮かんだのはオーナーの聖子ママと加藤だ。だがこの二人には今日のことは話していない。帰ったら明日にでも話さなければならないだろう。なぜなら河田は店の大事な客なのだ。
「初デート記念として父と母に鎌倉の土産を買っていきたいんです」
「……」
初デートって、本当に今まで河田には恋人とかいなかったのだろうか。背も高いし、頭もいい。そして今はこの若さで会社の役員だ。そんな男がずっと一人だなんて信じられない。
「工藤さんは誰にお土産買っていきますか?」
河田がお土産と言うと、なぜだか修学旅行を思い出す。
「あっ、そうだ。河田さん、紹介したい人がいるんです」
「紹介したい人……って誰ですか?」
「スナックで働いている私の同僚です。加藤と言います。いいですか?」
「構いませんよ。近いうちにお店に伺いますので」
「ありがとうございます」
それから私と河田は小町通りに戻って鎌倉のお土産を探した。
買い物をしながら私は河田の初デートと言う言葉を考えてみた。
初デート、恋人無し……まさかとは思うが、河田は女の体を知らない……?
まさかとは思うが。
デートに王道があれば、鎌倉観光にも定番がある。小町通りをぶらぶら歩いて、それから鶴岡八幡宮に向かうコース。
鎌倉幕府初代将軍源頼朝ゆかりの神社である鶴岡八幡宮。相模の国の一宮。ちなみに神奈川県にはもう一つの一宮である寒川神社がある。
私は河田に一宮について訊ねた。
「一言で言えば、大昔任国に赴任した国司が最初に参拝する神社のことです」
国司とか任国とか訊ねたいことはあるのだが、私は質問を一つに絞った。
「鶴岡八幡宮と寒川神社が一宮って変じゃないですか?」
「正確には寒川神社が相模の国の一宮だと言う人がいるようですが、僕にはその辺のことはよくわかりません。ただ、昔と今の神奈川が全く同じだったとは考えられません。今の神奈川が昔は二つに分かれていたかもしれない。だから現在神奈川には一宮が二つあるんじゃないでしょうか。素人の考えなので間違っていたらごめんなさい」
「……」
たとえ河田が間違っていても、平和な日本で二つの神社が一宮を取り合う戦いは絶対に起こらない。
「あっ、そうだ、工藤さん、鎌倉のお土産買っていきませんか?」
「はい」
お土産と聞いて、頭に浮かんだのはオーナーの聖子ママと加藤だ。だがこの二人には今日のことは話していない。帰ったら明日にでも話さなければならないだろう。なぜなら河田は店の大事な客なのだ。
「初デート記念として父と母に鎌倉の土産を買っていきたいんです」
「……」
初デートって、本当に今まで河田には恋人とかいなかったのだろうか。背も高いし、頭もいい。そして今はこの若さで会社の役員だ。そんな男がずっと一人だなんて信じられない。
「工藤さんは誰にお土産買っていきますか?」
河田がお土産と言うと、なぜだか修学旅行を思い出す。
「あっ、そうだ。河田さん、紹介したい人がいるんです」
「紹介したい人……って誰ですか?」
「スナックで働いている私の同僚です。加藤と言います。いいですか?」
「構いませんよ。近いうちにお店に伺いますので」
「ありがとうございます」
それから私と河田は小町通りに戻って鎌倉のお土産を探した。
買い物をしながら私は河田の初デートと言う言葉を考えてみた。
初デート、恋人無し……まさかとは思うが、河田は女の体を知らない……?
まさかとは思うが。

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