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第7章 三人の夫人

・・・夜のお食事も 驚いてしまいました・・・
 
・・・フランス料理のコースが出て来るから・・・

・・・田舎のお料理を 想像していたのに 
   とても美味しかったですは・・・

三人は口々に 料理を褒め 健太は頭を搔いていた

囲炉裏の脇に置かれた香炉から 白い煙が一筋昇り
花の香りが鼻孔を擽って来る
友里が時折 直樹を潤んだ目で見つめ 溜息を付き始め 
拓哉が調理場から 一升瓶を抱えて来た 
3年物ですと掲げて見せ 中には花が浮かんでいた
結子がそれは?と聞くと ここでしか飲めないお酒なんです 
血行が良く成って ぐっすり眠れるんで 
どうぞと湯呑に注いでいく
半分ほど湯呑に注ぎ 

・・・お湯と お水どちらが良いですか?・・・

三人に聞き 皆 お湯割りを選んだ 湯呑が渡され 
春奈は口を付け 口の中に甘い香りが広がった 
花の香りです この辺りに咲く花が咲いた時
摘んで漬け込んでいるお酒です 
拓哉の言葉を聞きながら 湯呑に口を付け
湯呑の中から仄かな花の香りが 漂ってくる
まろやかな口触りに 
結子は思わず半分ほどを 飲んでいた

春奈と友里も釣られて 湯呑を傾け半分ほどを飲み気が付くと 
友里は直樹の隣に腰かけ話をしていた 
結子の隣に拓哉が座り 結子のガーデニングの話に拓哉は頷き 
色々なアドバイスを 伝授している

春奈の両隣に健太と誠が座り 
座が段々と淫靡な空気を醸し始め 
春奈は首を振った
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