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第2章 恵美子

此処は鄙びた 温泉宿 
客室6部屋各部屋に 露天風呂が付いて
広い敷地に 個別に部屋が配置され
本館にも 部屋は有るが オーナーの誠は
6組限定を 頑なに守って居た

今日の予定は? 
「 車で入らっしゃる お客様が5組 」

「 送迎が必要なのは 谷口さん夫婦と
 男性が 一人 」

「 男性一人客か? 」
誠が首を振った

「 分かった 迎えは? 」

「 直樹が 向かっている 」

「 大丈夫か? この宿潰れないか? 」
悪戯な目で 健太が誠を覗き込んで来た

「 大丈夫 潰れないから 」

「 健太の料理を食べたら 又来てくれるよ 」

「 拓哉は? 」

「 後から 来ると言ってた 」

「 では 仕込みに入るね 」

「 頼んだよ 」
誠は パソコンのメールを開き
背伸びをして 今日のお客様達の
要望に 目を通して

「 今夜は 少し忙しいな・・・」

3週間前

谷口 晴夫は パソコンの電源を落とし 
予約終ったよ 妻の恵美子に声を掛けた

今年36歳 若いころの美貌は少し衰えたが
張りの有る 胸と大きなヒップは健在で 少し
ウエストが 大きく成って来た事は 仕方ない処だと
妻を見つめた

「何 見てるの?」 恵美子が晴夫を見る
「再来週 週末で予約取れたから 2人だけの温泉」
「子供達は?」
「お義母さんに 来て貰おう」
「判った 連絡しておくは ありがとう楽しみ」

当日

二人駅を降り途方に呉れていた 温泉はここからバスで1時間
その バスが止まって居ない 時刻表を確認すると 2時間後と
書いて有った 駅の周りに喫茶店らしき物も 食堂も無い
無人駅だった 一緒に降りて来た 痩せた男性も 時刻表を見ると
荷物を地面に降ろして 椅子に座って居る

「この 駅で良かったの?」 
不安そうに恵美子が晴夫を見て言って来た

「サイトで見たら この駅で あそこからバスに乗って行くらしいんだ」
晴夫も不安に成り 

携帯を取り出して タップしている時・・・
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