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第8章  啓子
和恵の耳元で ちょっと 夫が囁いて
支配人の後を追うのを見て 横に座った拓哉が
話しかけて来た 旅館の野菜は 拓哉の畑で
作った物を使っているが 今日の料理は
どうでしたかと聞かれ サラダが美味しかったと
話した時 嬉しそうな顔をして 苦労話を聞かされ
心臓の動きが早くなり始め 腰に疼きが湧くのを感じて
狼狽したまま 腿をすり合わせ 気取られない表情をする
ジーン ジーン早く成り始めた鼓動に合わせるように
疼きが広がって来る 夜 横に寝ている泰三が
体を返して 和恵のパジャマのボタンを
一つ一つ外し 口の中に泰三の舌が送り込まれ
恥ずかしい処から 愛液が滲む様に下着を濡らして
自宅の夜を思い出す様に 濡れて来る
浴衣の下の下着が 愛液で濡れ始めたのを感じて
両足を閉じただけの刺激で 可笑しくなって来た
右に座って居た 二組の夫婦が立ち上がり
食堂の脇の通路に消え 囲炉裏には拓哉と
二人に成っているのに気が付いて 夫を探す

「 ご主人ですか? 」
拓哉に聞かれ 頷くと

「 そちらの部屋で 横に成っていますよ 」
支配人と通路に行った筈 怪訝な顔で見ると

「 先ほどお部屋へ行かれたの 気が付きませんでした? 」
頷くと 

「 予備室に成っていて 酔ったお客様が 仮眠取れるように
  起こして お部屋へ戻りますか? 」
和恵は頷き 拓哉の案内で部屋へ入った
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