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第10章 第10章 奈々
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真紀さんと奈々さんに、子供が出来て房江が後藤君と
酒井を相手して、嬉しそうだった、月に1度は
後藤君の出張に同行して、行く前に新しく買った
下着を見せて来るんだ私にね、本当に小さな布で
隠すような下着を、酒井は下着には余り興味を
示さなかったが、房江は酒井が泊まりに来る晩
短いスカートで、胸元を大きく開けた服を着て
酒井を持て成してた、奈々さんは可愛い女の子を
真紀さんは男の子を産んで、房江が二人に色々
アドバイスをしていたよ、私達の付き合いも
直ぐに復活して、この宿は子供連れは駄目だから
他の温泉へ行ったな、その付き合いも15年・・・

啓子の頭を乗せていた腕に力が入り、啓子が見上げ
孝明は思い出した様に呟いた、

「 5年前に房江、私が家に帰ったら台所で
  倒れていて、突然死と言われたよ、房江が
  居なくなった家は、広く成ったな台所に
  何時も居て、楽しそうに話しかけて来る
  彼奴が居なくなって、心にポッカリ穴が空いて
  暫くは、何もできなかった、酒井も後藤君も
  奥さんを私の家に寄こしてくれたけど
  その気が起きなくて、申し訳なかった
  3年前に、啓子さんが働く姿を見て 房江が居る
  夢かと思ったよ、姿も声も同じで、後姿を見た時
  息を飲んでいたな、まあ私達夫婦の物語、分かって
  貰えたかな? 啓子さんが他の男に抱かれて 
  気持ち良い夜を過ごして貰えれば良いと思っている 」
孝明は顔を下げ、啓子の顔を覗き込み

「 頼みたい男は、新木と言って2年前に入社した男(こ)で
  優秀だけど線が細い、私の娘をと思って我社に娘を入れて
  新木の傍に配属させて、3か月経って話も碌にしない
  家で千絵に新木の話をすると、少し顔を赤らめるだけ
  本当に、近頃の若い奴は・・・・ 」
苦笑いを浮かべ啓子に視線を送って来た

「 新木を一度飲みに誘って話を聞いたら
  女性と付き合った事が無くて、どう接して良いか判らない
  そう言うから、任せろと言って啓子さんを思い浮かべて
  それでお願いしたと言う事なんだ 」
啓子は孝明の胸に顔を乗せて

「 こんな お婆ちゃんで良いの・・・? 」
孝明の腕が啓子を強く抱いて

「 教えて 呉れるか? 」
啓子は黙って頷いた

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