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第13章 第13章　直美

翌日

学校から帰ると、リビングで梨沙と太一が
テーブルに缶ビールを置き咥え煙草で　
直美を見上げ

「　お帰り　」
ぶっきら棒に言うと　ビールに手を伸ばした

「　来週センター試験だから　」
今までこの家に無かった煙草の匂いに
顔を顰め息を止めて、煙草の匂いを
嗅がないようにして直美は頭を下げ　
自分の部屋へ向かった
直美の言葉を聞いた梨沙の顔が曇り、
何かを言いかけようとして口を閉ざして
目の前のビールに手を伸ばす

夕飯と声を掛けられ　1階へ降りると
蒼汰がレンジから　温めたお弁当を取り出す処だった

「　直美ちゃん　それ温めて　」

梨沙はお弁当に箸を入れ乍ら、
テーブルの上にスーパーの袋に詰められた
お弁当を顎で指した　直美は黙って袋から出した
お弁当をレンジで温め　テーブルに付き無言で
箸を入れ、蒼汰も無言で弁当を食べ続け
太一と梨沙はテーブルの上の
ビールに手を伸ばして、食事を終えた太一は
煙草に火を付け紫煙を吐き出して　リビングに
煙草の煙とヤニの匂いが漂った