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第13章 第13章　直美

「　蒼汰　お風呂に入りなさい　」

ゲームをしている蒼汰に梨沙が声を掛け
蒼汰は黙って立ち上がり浴室へ消え　直美は
テーブルの上の食い散らかしたお弁当のパックを
集めて台所のゴミ袋の中へ捨てて、テーブルを
奇麗にして行った　15分程で蒼汰が浴室から
出て来て、直美が浴室へ向かおうとした時
後ろから梨沙の声が、

「　直美ちゃん　貴方はお風呂最後にして
　　入浴が終ったら、浴室を奇麗にして
　　それと、明日からお洗濯もオネガイ
　　女なんだから、掃除と洗濯、しっかり覚えて
　　貰わないと、お義姉さんに申し訳ないから　」
缶ビールを抱え、冷たい目で直美に言って来る
背中を向けて聞いていた直美は、黙って頷き2階への
階段に向かった　机に向かい教科書を広げた

教科書の文字が2重3重に揺らぎ、部屋の隅のクマさん達は
そんな直美の姿を黙って見つめていた
梨沙の声が聞こえ、直美は1階へ降りて、浴室へ向かう
浴室のドアを開け、濡れた床に散らばるタオルを集め
洗濯機に入れ着ている物も全て洗濯機に入れて
スイッチを入れて洗濯を始め、浴室へ入って行った

追い炊き機能の無い浴槽、直美はシャワーを捻り
頭から掛け、髪を体を洗って行く、真冬の寒さは
熱いシャワーを浴びていても温まらない、それでも
直美は太一や梨沙、蒼汰が入った湯船に体を入れる事を
拒み、シャワーを浴び続け、少し体を温めた後
浴室を出て、パジャマを手早く羽織り　洗濯機が動いているのを
見て自室へ戻って、ベッドの中へぬいぐるみを抱え
横に成った、美奈の好きだったクマのぬいぐるみの
毛触りが心を癒して来る、自然と出る涙を流したまま
直美は眠りの中へと入って行った

ーー　6時　ーー

直美は起き上がりまだ日の上がらない庭に出て
昨夜洗濯していた、衣服を物干しへ干して行く
氷点下の庭先、凍えそうな外気の中、蒼汰のシャツを
梨沙の薄手のパンティーを、太一のトランクスを
洗濯籠から出し、物干し竿に掛けたハンガーへ干して行った
薄い布地の物が　氷点下の気温に見る見る凍り付いて行く
梨沙の赤い薄手のパンティーがハンガーへ吊るした時氷付き
一枚の紙の様に揺らいでいた、