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第13章 第13章　直美

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肩に手を置かれ零していた涙を手で拭い　頷いている
後ろに雄介が黙って立ち、女将は雄介を見て笑顔を出して
直美の肩から手を外して肩を軽く二三度叩き

「　もう、大丈夫ね、御片付け行ってらっしゃい　」
直美は頷き、振り返って雄介の姿を見て慌てて頭を下げ
客室へ向かって小走りに消えて行った

「　ご苦労様　」
和服姿の女将は、雄介に笑顔を出して頭を下げ
雄介は黙って頭を下げ調理場へ戻り、包丁を並べ
砥石を取り出した、台車が音を立て洗い物が山の様に
運ばれてくる、追廻が次々と洗い物を片付け、調理場の
冷蔵庫、床と清掃を始め、慌ただしかった調理場に
静寂が訪れた。　刺身包丁を研ぎ終わり、雄介は
刃の付き具合を明かりの下で確かめている時
後ろから声を掛けられた、

「　今日は、有難う御座いました　」
振り返ると薄茶の作務衣を着た直美が頭を下げている
雄介は黙って頷いた、