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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第7章 Xmasな夜
「こいつ、前に告ったみたいだけど、遠回しすぎて琴美ちゃん気づいてなかったみたい。」
「俺らしか知らないと思う。」
真田くんと清水くんが笑った。
私たちはあっけに取られて、琴美を見た。
当の本人はそんなこと露知らず、すやすや眠っている。
さすが学年最下位ともいえるのか..
「....琴美、ほんまアホやわ..」
「うん..アホだね..」
(せっかくクリスマスを二人で過ごせてたかも知れないのになぁ)
私たちはみんなでクスクス笑った。
12時を周り、見渡すと私以外みんな寝ていた。
松宮くんは琴美を抱きしめるようにして、真田くんは一人くるまって、都と清水くんは大の字で寝ていた。
酒に強い私は、目を覚ましてしまい、することもなく、散らかったゴミをとりあえず集めた。
するとうるさかったのか、真田くんが起きてしまった。
「斉藤..?」
「あ!起こしてもた?ごめんなぁ..」
そっとゴミ袋を床において、近づいてきた真田くんを見た。
月明かりに照らされた寝起きの顔が、妙に色っぽくて目を逸らす。
(なにドキッとしとんねん!)
少し高鳴った胸を沈めるように深呼吸する。
すると外から泣き声が聞こえてきた。
二人で顔を見合わせコートを羽織り、外に出る。