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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第8章 これからもずっと
「わあ!」
二人で驚かせると、百合と彼氏が飛び上がった。
「きゃああ!」
「なんや!だれや!」
二人が振り返って、一瞬固まる。
私たちを確認して息をはいた。
「なんだ..咲たちか..」
「あ、お前、百合ちゃんと手繋ぎよった奴や!」
そしてちょっと私に頭を下げた。
「あ、斎藤俊介です。」
「私は相模咲。こっちは橘創。」
私が紹介すると、ああ..といった。
「百合ちゃんの親友さん..その節は何というか..どうも..」
「いえいえ。元サヤに戻ってよかったよ。」
私と創はニタニタして百合を見た。
「それにしても..百合ちゃんったら...」
「ば、ばか!な、なによ!」
顔を真っ赤にして私たちを見ると、繋いでいた手をばっと離した。
「あ....」
斎藤くんが空いた手を見て、口をとがらせた。
「ど~して手離すのよ~?幸せそうな顔しちゃって~」
私がわざと冷やかすと、ふんっと顔を背けた。
斎藤くんが手を取ろうとすると、パッと避ける。
「百合ちゃ~ん..」
「は、恥ずかしいからっ!」
そんな二人のやりとりを、私たちはクスクス笑いながら見ていた。
「斎藤くん、帰ってきてるんだ。」
「今日はクリスマスやからなぁ!なんや、けしからん男に誘われた~ゆうからコレは帰らなアカン!思てな。」
「だから断ったって言ってんでしょ!」
百合が照れたように睨みつけた。