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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第8章 これからもずっと

「斎藤くんも大変だね。百合は黙ってりゃ美人だし。」
私がちゃかしていうと、斎藤くんが首を振った。
「百合ちゃんは喋っとっても、怒っとっても可愛いで!もう特にベッ..」
言い掛けて、バシンと百合に頭をはたかれた。
「いっ..ゆ、百合ちゃあん..」
「それ以上言うなら、あっちに帰りなさい。」
「そんなこと言わんといて~ほんまのことやんか~」
ムッとしながら言う斎藤くんにため息をつくと、百合が私たちをみた。
「まぁ、じゃあね。また大学で。バイバイ。」
「ふふっバイバーイ」
ほら、行くよ!と歩き出した百合を追いかけながら、途中で立ち止まると、斎藤くんが振り返って私の所にきた。
「..?」
「百合ちゃんのこと、よろしくお願いします!それから..変な男つきよったら言うてな!」
「あはは、はいはい。」
にこっと笑った斎藤くんに私たちが頷くと、手を振って走っていった。
「なにしてたの?」
「ちょっとなぁ~ほら百合ちゃん手!」
「....」
遠くで二人の会話が聞こえる。
もじもじしてからそっと手を差し出した百合を見て、私たちは顔を見合わせて笑った。

