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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第9章 狂おしい程キミが好き

周りも暗くなり、そろそろ夜ご飯の時間になってきた。

「どうする?どこで食べる?」

二人で悩む。
どこのお店もカップルや親子連れでいっぱいだ。

(急な話やったから予約取ってへんしなぁ..)

「んー..あ、なんか買うて俺ん家で食べるか?」

「いいの?でもお父さんとサユカちゃんにも会いたいかも!」

俺の家は離婚してて、親父と妹のサユカの3人家族だ。
妹は百合ちゃんが大好きみたいで、よく二人で遊びに行っているらしい。
おそらく俺より、サユカの方が百合ちゃんに会ってる気がする。


「..ああサユカは何や彼氏に振られたーゆうて友達ん家で慰め会して貰うらしい。親父は女んとこ。」

「ええ!お父さん彼女できたの!?」

百合ちゃんが目を見開いて俺を見た。
そういう顔も可愛すぎて、抱きつきたくなるけど..我慢。

「なんや初老のくせに、青春やぁ!ゆうて楽しんどるわ。」

「..さすが俊介のお父さんだね。」

百合ちゃんがクスクス笑う。

「ほやから遠慮なくおいで。今からスーパーかどっか寄ろか。」

「うん!」



しかし駅に向かいながら、他愛のない話をしていると....

「わあ!」

「きゃああ!」

「なんや!だれや!」

後ろからいきなり驚かされて、俺と百合ちゃんは飛び上がった。
振り返って、一瞬固まる。

(だ、誰やねん!!)

すると百合ちゃんが安心したように息をはいた。

「なんだ..咲たちか..」

(咲..?)

女の子の隣に立つ男を見て、俺はハッとなった。

「あ、お前、百合ちゃんと手繋ぎよった奴や!」

気まずくてちょっと頭を下げる。

「あ、斎藤俊介です。」

「私は相模咲。こっちは橘創。」

(確か百合ちゃんの親友や!)
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