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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第9章 狂おしい程キミが好き
「斎藤くんも大変だね。百合は黙ってりゃ美人だし。」
咲ちゃんの言葉に、俺は全力で首を振った。
「百合ちゃんは喋っとっても、怒っとっても可愛いで!もう特にベッ..」
言い掛けて、バシンと百合ちゃんに頭をはたかれた。
「いっ..ゆ、百合ちゃあん..」
「それ以上言うなら、あっちに帰りなさい。」
「そんなこと言わんといて~ほんまのことやんか~」
ちょっと本気で怒ってるのが分かって俺は黙った。
百合ちゃんはため息をついて二人に向き直ると
「まぁ、じゃあね。また大学で。バイバイ。」
といって歩き出した。
「百合ちゃん待って!」
相変わらずの愛想のない別れ方に苦笑しながら、追いかけようとして立ち止まり、二人のとこに慌てて戻る。
「百合ちゃんのこと、よろしくお願いします!それから..変な男つきよったら言うてな!」
「あはは、はいはい。」
二人が微笑んで、頷いた。
(百合ちゃんええ友達できて良かったな。)
俺はそう思いながら、それだけ伝えて百合ちゃんの所に戻った。
「なにしてたの?」
百合ちゃんに怪訝そうに聞かれたけど、何となく叩かれそうだから誤魔化しておく。
「ちょっとなぁ~ほら百合ちゃん手!」
俺が手を出すと、ちょっと戸惑って指を絡めてきた。
(ああ、ほんま可愛ええなぁ..)
ぎゅっと握ると、百合ちゃんは俺を見上げてはにかんだ。