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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第10章 Xmasは悪魔な日っ!?
シドは私のクラスに転入してきた。
思えば2度目の転入なのだが、もちろん誰も彼を覚えていない。
しかし前の様に、いつも私の側にいる。
相変わらずの独占欲ぶりに、夏美も智子も苦笑い。
特に、私も浩二もその時は記憶がなくて、最近まで誘われたりしていたんだけど..
「浩二とかいう奴はまだ誘ってくるのか?」
「..もう何ともないよ。」
シドは浩二にだけは警戒心が高かったから、誘われることもなくなった。
シドが安心したように髪をなでつける。
その感覚にじっと身体を預けた。
「シド、帰ってきてくれてありがとうね。」
「ん?」
私は身体を起こしてシドを見た。
「記憶はなくなってたけど..またシドに会えて嬉しい。」
「俺も。優奈に会えて嬉しい。」
そういって微笑むと、またぎゅっと抱きしめられた。
「これからはずっと一緒にいてね?」
「ああ。....あ。」
「え?」
シドが動きを止め、窓の外をみる。
視線を辿るとそこには....
「か、神谷くん!?」
神谷く..じゃなくて 元魔王様がいた。