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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第10章 Xmasは悪魔な日っ!?
『人間への耐性薬..ですか?』
『そうだ。お前の罪は消えぬが、魔界と人間界の役に立つ生き方をすればよいと思ってな。』
『それはどういう..?』
『人間のおなごは魔界で生きられぬ。だが人間のおなごの身体の仕組みと悪魔とは基本的にはそう違わぬ。』
『..』
『だから、調べて人間も魔界で多少長らえるような薬を、魔界の医師や研究者と開発する。そのチームにお前も入れ。』
『..でも僕は..』
『お前の能力は皆買うておる。罪に関してはいつまでも付きまとうものとして受け入れろ。しっかり生きるためにも、ワシらのために尽力してくれ。』
『..はい。魔王様。』
ということなんだ。」
「お父様が....じゃあ..」
「だから今日はそれだけ伝えにきたんだ。これからもまたよろしくね、優奈ちゃん。」
ニコッと笑う元魔王様に私は苦笑いする。
シドはふんっと鼻を鳴らした。
「手を出したら殺すぞ。」
「人間のキミに僕を殺せるかな?」
二人がパチパチと睨みあう。
私は気まずい思いで笑っていた。
ふいに元魔王様が目を逸らすと、私を見た。
「じゃ、優奈ちゃん。今夜は帰るよ。人間に殺されないうちに。」
そういうと、チュッとキスされた。
「!?」
「おい!お前..!」
シドが立ち上がりかけると、クスクス笑って元魔王様が小さくなりふわふわ浮いた。
「ふふっ..ばいばい。」
「ば、ばいばい..」
「もう来るな!!」
シドが叫ぶと、パチンと元魔王様は消えた。