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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第1章 あなたと初めて
付き合った頃の事を思い出してニヤつきながら、電車を降りた。
親にバレないように、少し遠出。
外は幸せそうなカップルが肩を寄せ合って街を歩いている。
私たちはお互い初めての恋人で、普段クールな篤はすっごく奥手。
2ヶ月目に初めてキスをして、半年目になって迎えるクリスマスに私はお泊まりに誘われた。
ちょっと期待と緊張が入り混じりながら見渡すと、優しく笑って手を振る篤の姿があった。
「あ!」
駆け寄ると、クリスマスだからかちょっと大胆にぎゅっと小さく抱きしめられる。
「メリークリスマス、早苗。」
「うん、メリークリスマス!篤。」
私たちは手を繋いで街を歩きながら、お互いちょっと緊張していた。
お互いのプレゼントを買って、夕食を食べて予約していたホテルに向かう。
その頃にはめっきり口数が少なくなっていた。