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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第2章 幸せは突然
ー今度はいつきますか?寂しいですー
ー来週、地元の奴らと飲むって行っといたから家にいくよ。ー
そんな会話を目にした時、私は信じられなかった。
しかもよりによって相手は私の後輩....
私と彼は同じ会社で知り合い、彼女も私の後輩だった。
問い詰めると、嘘をつかれ、バカな私はそれまで信じていた。
そして今日。
前に私が行きたいと言って予約してくれていたレストランには、彼女がいた。
『なん..で?待って、今日はクリスマスだよ?』
私がいうと、二人で俯く。
よく見ると、コソッと強く手を握っていた。
それを見た瞬間全てを悟った。
『ごめん良子..俺たち結婚するつもりなんだ。良子とは三年一緒にいたし..なかなか言えなかった。』
白々しく言う男に、私は心が冷えていった。
(なかなかいえなかった?)
『私が聞いた時は、否定したじゃない!』
『ごめん。ほんとごめん。』
『ごめんなさい良子先輩!』
(なんで..?なんで私が..)
『そう。じゃあ仲良くやれば?あんたたちのこと、全部言いふらしてやるから。』
私はそういうと立ち上がり、荷物をまとめた。
早く逃げなければ、泣きそうだった。
『そ、それだけはっ..良子、頼むよ!』
焦った男が立ち上がった。すると繋いでいた手が丸見えになり、アッ..と手を離した。
それを睨みつけ、私は呟いた。
『あんたくらいの社員なら、代わりはたくさんいると思うし大丈夫よ。ハネムーンついでに引っ越せば?』
そういって私は店を出た。
その瞬間抑えていた涙が溢れ出した。