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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第2章 幸せは突然
「帰ろ..」
私はプレゼントを持ってベンチから立ち上がった。
その時、後ろから声をかけられた。
「お姉さん、一人?」
振り向くと、私より年下だろうか、優しそうな青年が立っていた。
「なんですか?」
「んーずっと見てたんだけど、一時間くらいそこにいるよね?」
「ええ。もう帰りますけど。」
(ずっと見てたって..怖!)
私は危険を感じて後ずさった。
すると焦ったように首を振った。
「違う違う!ほら、あそこで働いててさ!お姉さんがちょうど見えるから、気になってたんだ。」
そういって角のケーキ屋さんを指差した。もう閉店したのか閉まっている。
「ああ..そうなんだ。」
私が頷くと、少し距離を縮めてきた。