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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第2章 幸せは突然

「んう~?いいよぉ..どっかホテルいくからぁ..」
「多分、クリスマスだからどこも空いてないよ。」
「ん~..クリスマスなんてなくなっちまえ~!キリスト教信者でもないくせにぃ!」
私が叫ぶと
「そんな無茶苦茶な。そしたら俺の仕事なくなっちゃうよ。」
と苦笑いした。
それからどれくらい経っただろう?
目が覚めると、外は静かで私は何故かベッドの上にいた。
「..あれ..?いつ帰ってきたんだろ?」
見渡して、自分の部屋じゃないことに気づいた。
ベッドから降りようとした時、男がコップを持って部屋に入ってきた。
「あ、目覚めた?良子さん。」
「え..誰..?」
暗い部屋で顔が見えない。
すると窓から月明かりが差し込んできて、照らされた青年が見えた。
「あ、たしか元樹..くん..」
「良かった。覚えてたか。」
そういって微笑むと、私の隣に座った。
ギシッー
「良子さん寝ちゃってさ。あのまま店で寝かせたら風邪引いちゃうと思って...家に連れてきちゃった。ごめんね。」
「え!..あ、ううん..」
私はさんざん痴態を晒したことを思い出し、顔が熱くなった。
「今..何時?」
「んと....1時すぎ..かな。」
「ごめんね、明日仕事でしょ?」
「いや、いいよ。女の人1人にはできないし..俺も独り身だから気にしないで。」
そういって笑った。

