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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第3章 思い出にはいつもキミが

ちょっと興味がないわけではなかった。
でもその裏切り行為が怖かったし、何より女の影など微塵も見せない夫に申し訳なかった。

「はぁ....」

思わずため息をつくと、長男が私を見た。
「まま、しんどい?お熱?」

パタパタ走ってきて私のおでこを押さえる。
暖かい小さな手に、私は心まで暖かくなった。
そのままぎゅっと抱きしめると、きゃっきゃっと笑って抱きしめ返してきた。

(あの人とも..こんな風にクリスマスは過ごしてたなぁ..)

私ははるか20年以上も前のことを思い出した。



私と夫の康夫は、ある合コンで大学生の時知り合った。
寡黙で、背も体型も顔も標準な、特徴のない男だというのが私の第一印象だった。

そんな彼が幹事の子に私の連絡先を知りたいと言っていると聞いた時は、私は顔も浮かばないほどだった。

一人暮らしのアパートにかかってきた電話を取り、何やら言って切られるー
少しして私はデートに誘われたんだと気づいた。

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